もう来る頃…

さだまさし( 佐田雅志 ) もう来る頃…歌詞
1.もう来る頃…

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

心の奥で
わだかまっていたことがある
なぜ自分だけ春まだ遠く
報われない毎日
切なくなって
何もかも投げ出してしまいそう
悲しいような悔しいような
虚しい気持ちでいたけれど

もう来る頃って
信じてみればいい
君にそう言われた時
光が見えた

もう来る頃
もう来る頃
その角をホラしあわせが
笑顔で曲がってくる

心の隅で
ふと疑っていたことがある
自分が生まれ生きていること
何の意味があるのだろうかと
悩んでいたら
光が差すように君は歌う
誰でもみんな 同じ悩みを
抱いて生きていると

もう来る頃って
信じてみようかな
君の笑顔に触れて
勇気が生まれた

もう来る頃
もう来る頃
その角をホラしあわせが
笑顔で曲がってくる

もう来る頃
もう来る頃
その角をホラしあわせが
笑顔で曲がってくる


2.空になる

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

自分の重さを
感じながら坂道を登る
いくつもの峠を越えて
もっともっと上を目指す
いつか辿り着ける世界へ
僕は雲を抜けて
空の一部になる
僕は空になる
らららら…

生きることの全てを
背負いながら坂道を辿る
それぞれの抱く
自分だけの峠を目指す
いつか叶う筈の世界へ
雲を抜けて
君の夢に手が届く
君は空になる
らららら…

いつか辿り着ける世界へ
僕は雲を抜けて
風と一つになる
僕は空になる
らららら…


3.糸遊

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

風に漂う蜘蛛の糸 木漏れ日に光る
春の日の蝶のように ふわりと花片
言葉足らずより言葉過ぎる方が
心に痛い
言わぬ事よりも言えぬ言の葉が
胸を焼く

糸遊(かげろう)ゆらり

風に抗う術もなく 思いに声もなく
密かに身を焦がす 片恋の螢
見えるものならば 見せもしようもの
心は見えず
触れられるならば 触れもするものを
届かぬ思い

糸遊ゆらり

夢に見るだけで 構わないのなら
傷つきもせず
捨てられるならば 護らないものを
愛しき矛盾

糸遊ゆらり
糸遊ゆらり
糸遊ゆらり


4.かすてぃら

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

昭和の頃ふるさとを離れ
随分未来まで来たもんだ
手に入れたものと失ったものと
一体どちらが多いんだろう

いつの間にか得体の知れない
生き物に変身しちまったようで
捨ててはいけないものと
捨てなきゃいけないものの
境目がぼやけちまった

母がふと送ってくれた
五三焼のかすてぃら
青空にかざしてみたら
涙こぼれて味がわからなかった

子供の頃天まで届いた
東京タワーが小さく見えた
僕は大きくなったのか
それとも小さくなったのか
ライトアップが目に染みる

押上までこっそり出掛けて
スカイツリーを見上げた時に
嬉しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合って
「東京」って小さく呟いた

父が大好きだった
かすてぃら一切れ
ふるさとに透かしてみたら
涙こぼれて少し塩っぽかったな

母がふと送ってくれた
五三焼のかすてぃら
いつの間にか遠い未来に
僕は辿り着いてしまったようだ


5.題名のない愛の唄

作詞:さだまさし
作曲:TRADITIONAL

いつかあなたに会えたら
話したいことがある
いつも笑顔で過ごして
愛を生きてきた
いつかあなたに会えたら
伝えたいことがある
遠く長い坂道も
一人じゃなかった

振り返れば人は誰も花のよう
遅咲きも早咲きの花もみな美しい
気づかれずとも
ひたすらそこで咲く花のように
ただあなただけの為に
私は咲いたよ

振り返れば生きることは夢のよう
悲しみも苦しみも思い出は美しい
あなたに恥ずかしくないように
生きてきただろうか
巡り巡る人生は
風のように過ぎる

いつかあなたに会えたら
話したいことがある
ただあなただけの為に
私は生きたと

ただあなただけの為に
私は生きたと


6.TOKYO HARBOR LIGHTS

作詞:さだまさし
作曲:木村“キムチ”誠

悲しい時には 君を思い出す
大都会の街灯り
誰かの部屋の愛と悲しみを数えてる
君を失くしたあの日から
夜空には上弦の月
明星が寄り添う
あの頃の二人のよう
滲んでゆくよ
TOKYO HARBOR LIGHTS

苦しい時には 君を思い出す
ふるさとを遠く離れ
何処からか吹く風は 未来へと 過去へと
時も心も超えて行く
いつも君は僕のこと
支えてくれたから
思い出を手放せない
水辺に映る
TOKYO HARBOR LIGHTS

いつの日にか 出会えた時に
決して恥ずかしくないように生きて行こう

君がいたTOKYO HARBOR LIGHTS
温もりとしあわせに
満ちていた毎日
夜空には上弦の月
明星が寄り添う
あの頃の二人のよう
永遠に君を思いながら
潤んでゆくよ
TOKYO HARBOR LIGHTS


7.一万年の旅路

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

何故私の顔に深い皺が刻まれたのか
教えようと老人は静かに言った
彼の前に腰掛けた時
暖炉の明かりがパチパチ音を立てた

迷った道の数の分と 傷つけた心の数を
忘れないよう顔に刻んできた
驚くことはない 生きてゆくことは
大概そういうことなのさ

若いという美しさは身体の外にあるから
いっときは目が眩むけれど
年老いての美しさは心の中にあるから
気付いたものだけが美しい

そんなことを理解するために
人は生きているのかも知れない

誰もが老人になれるとは 限らないじゃないかと
彼は少し笑って静かに言った
生きた証の皺を恥ずかしいと
思う方がおかしいだろう

君もいつか気付くだろう 悲しみの皺だけじゃない
嬉し涙の流れを刻み
喜びの笑顔さえもまた
自分の顔に刻んできたのだろう

自分の顔が好きかと訊かれたらきっと嫌いだと
答えるに決まってるけれど
これでも昔の私の顔よりは少しばかり
ましになったと思っているんだよ

そんなことを理解するために
人は生まれてきたのかも知れない

四苦三十六 八苦七十二 足して108の煩悩の
数をまさか信じてる訳じゃない
実際その数の何倍もの悩みと
一緒に暮らして生きてきた

若い頃に見えたものと 年老いて見えるものとの
違いがいつか君にも分かるだろう
本物と偽者あるいは正義について
気付くものだけが美しい

笑う門には福が来る 辛い時でも笑ってる
そんな人になりたいと思わないか?
恩は石に刻み給え 恨みは水に流し給え
胸を張って生きてゆき給え

若いという名の花は身体の外に咲くから
いっときは目が眩むけれど
年老いてからの花は心の中に咲くから
気付いたものだけが美しい

そんなことを理解するために
人は生きているのかも知れない
人は生まれてきたのかも知れない


8.白秋歌

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

探してる
言葉を探してる
あなたに伝えたい言葉を
「恋」では軽い
「愛」でも足りない
想いの深さを言葉に出来ない

秋の花が咲く前に
伝えたいこの心
ただ背筋を伸ばして
好きだと告げようか

祈ってる
自分に祈ってる
あなたに相応しいかどうか
「希望」では遠く
「夢」では儚い
想いの深さを言葉に出来ない

秋の花が散る前に
伝えたいこの心
ただ不器用に一途に
好きだと言えば良い

ただひたむきにあなたが
好きだと言えば良い


9.あなたへ

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

愛しいあなたが今まで
どんな風に傷ついて生きたか
それでも自分を捨てないで
心を護って生きてきたか
あの時にも あんな時にも
あの時にも あんな時にも

私にはあなたを護る
術など何もなくただ不器用に
歌うことだけ あなたのために
歌うしか出来ないけど
どんな時にも いつでも
どんな時にも いつでも

悲しみの底でも笑顔を捨てない
あなたの苦しみの本当の深さを
思い知りながら支えたいのは
明日何が出来るのかということ
昨日のことより 今日のことより
昨日のことより 今日のことより

未来には幾つかの顔がある
例えば不安と希望 もしも私の歌が
あなたの不安を和らげられて
微かな希望に寄り添えたら
今日のことより 明日のことへ
今日のことより 明日のことへ

悲しみの中でも季節は巡る
寒い冬のあとにでも きっと綺麗に花は咲く
信じなくても良い それでも花は咲く
幸せはきっといつか来る
届け届け この歌 届け届け届け この愛

私には歌しかないけれど 私には歌があるから
いつも此処で歌ってるから あなたを思って歌ってるから
声の果てるまで
私には歌しかないけれど 私には歌があるから
いつも此処で歌ってるから あなたを思って歌ってるから
幸せになれるまで
いつまでも いつでも いつまでも いつでも
あなたへ


10.SMILE AGAIN

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

もしもあなたが今 悲しみの中にいて
よるべない不安に 震えているのなら
声にならない声を今 その見えない涙を今
わかちあうことが できないだろうか

言葉で伝わらない 言葉もあるけれど
せめてこの歌声が あなたに届いたら
勇気をふりしぼって今 涙をぬぐいさって今
なつかしい笑顔に もう一度会いたい

SMILE AGAIN 祈りは海を越え
SMILE AGAIN 願いは風に乗り
SMILE AGAIN 夢を忘れないで
愛は時を渡る

忘れないで欲しい いつも思っている
だからこの歌声が あなたに聞こえたら
小さな声でいい今 一緒にくちずさんで今
どうか僕のために もう一度笑って

SMILE AGAIN 一人は小さくて
SMILE AGAIN とても弱いけれど
SMILE AGAIN 強くこの愛を
心こめて歌う

SMILE AGAIN 祈りは海を越え
SMILE AGAIN 願いは風に乗り
SMILE AGAIN 夢を忘れないで
愛は時を渡る